ブックレビュー:経済は感情で動く

こんにちは。
11月も半ばにそろそろさしかかろうと言う
今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。
 
今日紹介するのは
「経済は感情で動く」
と言う本です。
 
人間が経済活動を行う際、
そこにいかに感情が働くのか。
感情のない機械と人間ではどう選択が違うのか。
 
そういう現象を研究する学問を、
「感情経済学」と言うそうです。
そしてこの本は感情経済学の入門書なのです。
 
この本の書き方は
問題提示→解答→解説
という構成になっています。
 
参考書や解説本に親しむ現代人にとって、
この構成が一番頭に入りやすいのかも知れません。
さすが感情を研究しているだけはあるぜ!
 
たとえばこういう問題があります。
「レストランで1000円 800円 800円のメニューがあります。どれを選びますか」
たいていの人が800円を選びます。
 
次に質問を変えてみます。
「レストランで1200円 1000円 800円のメニューがあります。どれを選びますか」
すると今度はたいていの人が1000円を選ぶそうです。
 
これは一見当たり前の選択に思えますが、
理論的に考えるとおかしい現象なのです。
 
最初の問題では昼食に1000円は払わなかったのに、
後の問題ではあっさりと1000円を払うのです。
行動が一貫していない。
 
経済学的な思考に完璧に沿って動くと想定した仮想の人間を、
「ホモ=エコノミクス」
と呼びます。
 
我々が上記のような行動を取るのはまさに、
我々がホモ=エコノミクスでないことの証明なのです。
 
ちなみに上記の現象を、
「端よけの法則」と呼びます。
人は両極端な選択肢を嫌い、その中間を好むのです。
 
これを利用したのがレストランのメニューで、
誰も頼まないような高額の料理を加えることで、
客に高い物を注文させることに成功しています。
 
とまあこんな感じで、
とても為になる話が沢山盛り込まれていて、
非常に面白い本となっています。
 
興味を持った人は是非一読してみることをお勧めします。